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世界を駆けるテリーフォックス

今年の春に訪問したカナダ国ビクトリア市。

観光名所の一つBC州立ロイヤル博物館内のとある掲出物が目に留まり、しばし足を止めました。
1980年代のBC州の代表的な出来事を紹介するパネル「BC NEWS DECADE」に地元BC州出身のテリーフォックスのポートレート記事が紹介されていました。
骨肉腫で右足を切断して以来、ガン研究資金を募るため1980年4月、北アメリカの東海岸から故郷のバンクーバー島を目指した義足のランナー、テリーフォックス。
志半ばオンタリオ州にて弱冠22歳の若さで夭折したフォックス氏はカナダの国民的英雄と讃えられ、彼の遺志を継ぐチャリティー・イベント「テリーフォックス・ラン」が、毎年世界各国で行われているそうです。
ここ札幌でも去る10月11日(日)、
「テリーフォックス・ラン・イン・札幌 2015」が豊平川河川敷ランニングコースで開催され、
今回私も北海道カナダ協会様からのご案内をいただき、次男とともに初めてに参加しました。
ウォーキングのみならず、車いす、自転車、ローラーブレードでの参加もOKとのこと。
名うてのアイスホッケープレーヤーでもある実行委員長マーク・ハミルトン氏との
激走に挑むべくローラーブレードを装着し準備万端、5kmコースに参戦しました。
心地よい向かい風を浴び、豊平川を横目にサイクリング&ランニングコースを
滑走するうちに、何故か23年前初めてローラーブレードなるものを体験したボストンの地、
そこで朋友ケビン・スチュアートとともにチャールズ川沿いを走破した
懐かしくも輝かしいシーンが一瞬頭をよぎりました。
折り返し地点にて給水班である学生ボランティアの激励を受け、方向転換。
川下に向かう復路はゆるやかな降り路面、さらに追い風にも助けられ
前方の走者をゴボウ抜き。途中、10kmコースを滑走するハミルトン氏と交差し、
にこやかにハイタッチ。一足先にゴールインしました。
当日は250名を越す参加者が集い、カナダ人のみならず
北海道インターナショナル・スクールの皆さんも参加されたのようです。
小さなお子様と一緒にウォーキングされるご家族やウォーキングポールを
リズミカルに操るご高齢の方など、まさ老若男女、国籍を問わず、
チャリティイベントに相応しいアットホームな催しでした。
またNHKのクルーも取材に来られ、イベントの模様がテレビニュースで放映されました。

1980年代にフォックス氏の勇姿に感動した数多くの人々がその魂を受け継ぎ、
世界各国の有志ボランティアにより運営されるイベント「テリーフォックス・ラン」。
国境を越え世代をまだぎ、まるで現在もフォックス氏の善意が
世界を駆けめぐっているかのようです。

 

運営にあたられた実行委員会及び関係者の皆様のご尽力に心から敬意を表します。